理事長挨拶 GREETING 宮城県腎臓協会は1982年に設立されました。 設立にあたりましては、宮城県・仙台市・県内各市町村にご支援をいただいております。 当時、既に人工透析・腎移植が確立し普及しつつありました。以前は死病であった末期腎不全の患者さんは、 これらの治療によって生存が可能になりました。従いまして、慢性透析患者さんの数は増加してまいりました。 この増加に伴い、県を挙げて患者さんやそのご家族を支援するために設立されたのが、公益財団法人宮城県腎 臓協会です。 当協会の目的は、腎臓病の予防・治療、患者さんやご家族への福祉の向上・推進です。そのために、医学研究 の推進、透析技術者の研修、一般社会への啓蒙等の活動を行っております。 腎機能低下(eGFRが60未満)、または、尿蛋白が持続する状態は慢性腎臓病(CKD)と定義されています。 CKDの2大原因は高血圧と糖尿病です。CKDは自覚症状に乏しく、重症化すると透析導入を防ぐことは困難に なります。厚生労働省はCKD重症化予防のために、「行政・医療機関・学協会が連携し、早期発見・診断し、 適切な介入・治療をする」ための指針を定めています。 慢性透析を離脱するためには腎移植が必要となりますが、わが国の腎移植はすすんでいません。 これも大きな課題です。 宮城県腎臓協会は、腎臓病に関する啓蒙活動、腎臓病の予防・治療の向上、透析患者さんと家族の福祉の向上・ 増進、腎移植の推進などに取り組み、健康長寿社会に貢献してまいります。 県民の皆様にはこの間の事情をご理解くださり、陰に陽に当協会をご支援くださいますようにお願いいたします。 公益財団法人宮城県腎臓協会 理事長 伊藤 貞嘉